責任の半分は自分自身に委ねられている
マキャベリは徹底した現実主義者でしたが、それを示す言葉に『運命が人間の活動の半分を思いのままに裁定することができるとしても、少なくともあとの半分か、または半分近くは今運命もわれわれの支配に身をまかせているとみるのが真実であろうと私は考える』というものがあります。
これは『運命は自分自身で変えられる』という希望の言葉であると同時に、『どのような運命だろうと、その責任の半分は自分にある』という非常に厳しい言葉でもあります。よく『自分が不幸なのは○○のせいだ」といった愚痴をこぼす人がいますが、マキャベリに言わせれば「甘ったれるな!」ということになるでしょう。
確かに、世の中には自分ではどうしようもないこともたくさんあります。たとえば、貧乏な家に生まれることは、自分ではどうすることもできないことですから、これはある意味では「不幸な運命」といえるかもしれません。
しかし、だから自分は不幸だと嘆いて一生を終えるか、それともその事実を受け入れて前向きに生きていくかは、すべてその人自身にゆだねられています。つまり、人生の良し悪しは運命だけで決まるのではなく、その人自身にゆだねられている部分も大きいのです。
自分の人生を他に任せない
これはビジネスの世界でも同じで、「上司が悪い」「取引先が悪い」と誰かに責任を転嫁しているうちは、絶対に成功できません。なぜなら、それは結局、自分の人生を『他人まかせ』『運命まかせ』にしているのと同じことだからです。
「○○が悪い」と言う人は、誰かが状況をよくしてくれるまで、ずっと嘆き続けるのでしょうか?それとも「自分は悪くない」と居直って、やみくもに批判を続けるのでしょうか?そんなふうに他人をアテにする人が、ビジネスで成功できるはずがありません。
よく「不景気だから商品が売れなくても仕方がない」と言う人がいますが、みんなが「不景気だから仕方がない」とあきらめていたら、日本の経済は崩壊してしまいます。「不景気だけど、なんとか売れる商品をつくろう」そんなふうに前向きにとらえて頑張らない限り、状況を打破することなど絶対にできないのです。
ここで認識してほしいのは『結局のところ、自分の人生は自分自身で変えるしかない』ということです。もちろん、そのためには「がむしゃらに努力する」ことが必要です。成功者は、けっして自分の人生を運命まかせにはしません。
なぜなら、成功にしる失敗にしろ、その大部分は「自分の努力にかかっている」ことをよく知っているからです。『少なくとも運命の半分は自分自身で変えることができる。だったら、たとえマイナスの出来事があっても、プラスになるように変えていこう』このくらいの意気込みがなければ、ビジネスで成功することは難しいのです。