変わらない大切なもの

良い面を伸ばすなら悪い面には目を瞑る

優れた能力を持つ人には欠点もある

何かに突出して優れた能力がある人は、一方で周囲が驚くほどダメなところがあったりします。著名人が亡くなった場合にはメディアで大きく取り上げられることもあり、生前の裏話などを知って「あの人はそんな面があったのか」と、驚いた経験がある人も多いでしょう。

何か突出した能力をもっている人は、その能力を維持するために多くの時間を割いています。その代表的な例がスポーツ選手で、彼らは自分の能力をより高めるために多くの時間を費やしています。

しかし、人が使える時間には限りがありますから、それ以外の能力については普通の人と同じ程度だったりします。「天才」と呼ばれる人たちのように、生まれもった性格や資質によって優れた力を発揮する人もいます。

しかし、そうした人たちの話を聞いてみると、周囲の人たちから変人扱いされていた過去があったり、生まれながらに身体的なハンデを負っていたりするケースが多々見られます。彼らは、人が備えているであろう何かをもっていないかわりに、特定の優れた能力を手にしているのです。

こうした例をみていくと、人の能力の総和はあまり変わらないように感じます。一般の人々は、なかなかもてる能力の限界にまで到達しないので、彼らが特別に見えるだけなのかもしれません。

仕事に関しても同様で、実務は完壁にこなせるのに外部との交渉は下手だったり、逆に口は上手で交渉では力を発揮するのに、実務はどうにか人並み程度だったりと、得意なことと苦手なことがあるのが普通なのです。

部下の長所を活かす部署に配置する

マキャベリの言葉に『良い面を残そうとすれば、どうしたって悪い面も、同時に残さざるを得ないのである』というものがあります。「長所は短所」。よい面と悪い面は表裏一体なので、片方だけを残すのは無理なのです。

先述したように得意不得意も同様で、得意な分野がある人はどうしても不得意な分野がでてきます。人は他人を見るとき、長所よりも短所に目がいきがちです。確かに、業務に必要となる最低限のことができないのは困ります。

とくに、上司として部下を見る場合などはそうでしょう。しかし、そもそも会社のような組織で仕事をする利点は、それぞれの長所を活かした分業体制をつくることで、弱点をカバーしあえるところにあります。

その人の強みと弱みが明確ならば、それに合わせた部署に配置すればよいのです。それに、短所をなくそうとしてばかりいると、なかなか長所を伸ばすことができません。よほど本人が危機意識を抱かない限り、短所はなおらないからです。

仮に短所がなおっても、何でもそこそこできるが、突出した点もない「器用貧乏」な人になってしまうこともあります。組織の利点は先に述べた通りですから、それでは意味がありません。人の長所を伸ばして活躍させるためにも、リーダーは短所を許容する度量が必要なのです。

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