変わらない大切なもの

非能率な者に温情をかける必要はない

特定の失敗を繰り返す人の原因は?

同じ失敗を何度も繰り返し、いくら叱っても一向に改善される様子がない。あなたの会社にも、そんな人はいるのではないでしょうか。世の中に失敗をしたことが一度もないという人はいないでしょう。人は何らかの形で失敗するものだからです。

ですが、人は学習する生き物ですので、失敗したことを反省していれば、同じ失敗を何度も繰り返すようなことにならないのが普通です。ただし、失敗の原因が本人の考え方や性格に起因する場合は別です。

考え方や性格とは長年の蓄積で形作られるものなので、そうそう簡単には変わりません。ですから、本人が一時的に反省したとしても根本的には解決しておらず、ちょっと気を抜いたときに同じ状況になると、また失敗をしてしまうのです。

この場合、いくら叱ったり指導をして改善させようとしても、あまり効果はありません。それは本人もわかっていながら、その人のいわば習性によって実践できないことだからです。

本人も頭ではわかっているだけに、何度も同じことで叱られているうちに反抗心が芽生え、恨みをかってしまうこともあります。逆恨みもいいところですが、こういう人が仕事で関係がある外部の人や出先で愚痴をこぼすことで、会社の評判が悪くなる可能性もあります。

この場合は、その人を無理に矯正しようとするのではなく、失敗を繰り返す夕イプの仕事から外すほうが賢明です。もし、その人が配属されている部署で必要とされる基本的なことができないのであれば、異動の検討も必要でしょう。

ただし、特定の業務に特化した小さな会社の場合は、移動させるほかの部署がないこともあります。この場合、配置転換はできませんから、新入社員と一緒に再研修をさせるか、場合によっては一度じっくりと話し合ってみる必要があるかもしれません。

ときには温情をかけないことも大切

マキャベリは『一度でも徹底的に侮辱したり、手ひどい仕打ちを与えたことがある者を、重要な任務につかせてはならない』と述べています。人は、よいことよりも悪いことのほうが強く印象に残る傾向があり、一度抱いた恨みはなかなか忘れないものです。

マキャベリは、恨みを抱いている者を重くもちいることで、足をすくわれる可能性があることを警告しているのです。仮に、何度もガミガミ叱った相手に改善がみられ、やがて一人前になったとします。

ですが、その人があなたに恨みを抱いた場合は敵視したままという可能性があり、なかにはあなたを失脚させようとする人も出てくるかもしれません。

そうした事態を避けるためにも、ときには温情をかけずに切り離す勇気も必要でしょう。ただ切ってばかりでは新たな戦力が育たず、人材難に陥る可能性もあります。線引きだけは慎重に設定しましょう。

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