問題は自分の能力の査定基準
社内外問わず、仕事というものには期日がつきものです。仕事概要の説明を聞いたあと、「○日が最終期限なのですが、どれくらいでできますか?」と質問されることは常だと思いますが、あなたはどのように返答しているでしょうか。
こうした質問に対し、何でもかんでも「すぐにできます」と答える人はいないでしょう。約束を守れなかったら、その分だけ信用が失われるからです。あなたも自身の能力を考慮して返答していると思いますが、そこで問題となるのが自分の能力に対する見積もりです。
大抵の人は、自分ができると判断した日数で約束していると思います。しかし、この場合は余力がほとんどありませんから、自分が考えていたぺlスで仕事が進められなかった場合は期日ぎりぎりになってしまいます。
場合によっては期日をオーバーしてしまうこともあり、相手に迷惑をかけてしまうでしょう。相手のほうが余裕を確保している場合もあり、1日や2日程度の遅れなら問題ないこともありますが、それでも約束を守れなかったという事実によって、あなたの信用には傷がついてしまいます。
相手が余裕を確保していなかった場合には、あなたの信用は地に落ちてしまうかもしれません。より慎重な人であれば、自分ができると判断した日数に余力として数日加えた期日で約束を結ぶでしょう。そうすれば、何かあった場合でも相手に迷惑をかけなくてすみますし、相手からの信用も守ることができます。
常に自分の能力を低めに見積もる
マキャベリは『人間は自分の事柄に関しては極めて評価が甘く、容易に欺かれわざわいるものであって、この禍から身を守ることは難しい』と述べています。
基本的に、人は他人に対しては厳しいですが、自分に対しては甘いものです。ときには自分に厳しい人もいますが、常にそういう態度をとれる人は少ないものです。
よって、自分自身に何らかの評価をくだす場合は、数%差し引いたものが本当の姿だと思っていたほうがよいでしょう。とくに仕事で自分に評価をくだす場合は、低めに見積もっておいたほうが問題が起きなくて済みますし、もしかしたら『自分の能力を妥当に測れる人』という評価を得られるかもしれません。
新たに仕事を獲得するケースなどでは、より自分を大きな存在に見せるためにハッタリを利かせたほうがいいこともあります。しかし、その職種に就いて間もない新人ならともかく、すでに一定以上の評価を得ている立場であれば、その必要もほとんどありません。
また、自分の能力を低めに見て結んだ約束なら、期日よりも早く仕事を終わせることができることもあり、場合によっては、さほど時間がかかったわけではないのに、相手が『頑張ってくれたんだな』と思ってくれることもあるのです。大口を叩く人は嫌われることもありますから、自分の能力は常に低めに見積もって事を運んだ方が、よいのです。