成功モデルをマネして成果をあげる
ビジネスで成功する、もっとも手っ取り早い方法は『すでに成功したビジネスモデルをマネる』ということです。「他人のマネをするなんて嫌だ」と思うかもしれませんが、変な意地を張って失敗するよりは、『成功者の手法を学んでどんどんマネするべき』ですし、それが成功への近道でもあります。
もちろん、特許侵害のようなルール違反はよくありませんが、そうでない部分に関しては、積極的に「よい部分」をマネしていくべきです。ですから、もしあなたの周囲に「仕事のできる」同僚がいたら、いったいどうやって仕事をしているのかを研究して、まずは『よい部分をマネしてみる』ことをお勧めします。
「絶対に人のマネはしない。自分なりのやり方を見つける」という人もいるかもしれませんが、会社があなたに求めているのは『効率よく仕事を行うこと』と『与えた役割で成果を出すこと』であって、自己満足的な自主研究のために給料を払っているわけではありません。
自分のポリシーを貫くのも結構ですが、くれぐれも、そこのところを勘違いしないようにしてください。
よい部分を模倣して、よいシステムを作る
それでも、なかには「人のマネをすることに抵抗感を持っている」人がいるかもしれません。そうした人にお伝えしたいのは『そもそも、人というのは常に誰かの後追いをしているものだ』ということです。
マキャベリの言葉に『人は、ほとんど常に、誰かが前に踏みしめていった道を歩むものである』というものがありますが、これは紛れもない真実です。どんなに革新的に見えるアイデアでも、本当にゼロから作り上げたものというのは稀で、大部分は先人たちの偉業のうえに成り立っています。
たとえば、スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツは確かに天才かもしれませんが、彼らの功績も、いってみれば今日のインターネットの基礎を築いた英国のコンピューター技術者、ティム・バーナズ=リーの偉業を転用して作り上げたもので、いわば、バーナズ=リーの後追いです。
しかし、だからといってジョブズやゲイツは「ダメだ」ということにはなりません。なぜでしょうか?それは彼らの製品のおかげで、現実に私たちの暮らしが便利で豊かになったからです。
組織でもそれは同じで、たとえ他人の模倣でも、それで会社の生産性が上がり、結果として社会全体が豊かになればなんの問題もありません。このように社会というのは、個々人がそれぞれのよい部分を模倣して、さらによいシステムを作り上げることで、全体がもっと豊かで快適になる、という面を持っています。
そのためには、積極的によいものを吸収する姿勢がなくてはなりません。「マネをする」と聞くとネガティブな印象がありますが、社会全体の発展のためには、むしろマネすることは有効なのです。