変わらない大切なもの

責任をとらない上司に従う部下はいない

責任をとらない上司は部下に信用されない

会社組織で仕事をする利点はいくつかありますが、そのなかのひとつに『次世代の人材を育成する』という点があります。会社といつ組織で仕事をすることにより、その業務にたずさわる先人のノウハウを、後進の人たちに伝えていくというわけです。

当然のことですが、会社に入社したばかりの人は、いきなり仕事を与えられてもすべてをうまくこなすというわけにはいきません。まれにそれができる人もいますが、大抵は右も左もわからないというのが普通です。

だからこそ、企業では新入社員に研修をほどこし、上司という指導・監督役のもとに配置して、実際に仕事をさせつつ学ばせていくのです。一方、上司は部下となった人の成長具合をはかりつつ、さまざまなことを経験させていくことになります。

しかし、人が初めて何かをしようというときは、失敗する可能性も秘めています。そして、部下が失敗をしたときこそ、上司の器が問われるのです。ときおり、「失敗したのは部下が悪い」と、すべての責任を部下に押し付ける人がいます。

確かに失敗そのものは部下の責任ですが、失敗する可能性が高い状態のまま仕事を任せてしまったのは、監督者である上司の責任です。仮に、その人に「任せてみろ」という指示が上から降ったものだとしても、まだ早いと判断したならば、きちっと抗弁しておくべきです。

抗弁したうえでの命令ならば、それは無理を通した上部の責任になります。ですが、ろくに抗弁もせずに「上からの指示だから」と従った末の結果だとしたら、やはり部下の失敗は上司の責任でもあるのです。人は成功を褒める度合よりも、失敗したことを責める度合が強い傾向があります。

ですから、部下は自分が失敗してしまったとき、上司がどう対処するかを見ています。ここで、すべての責任を部下に押し付けて保身をはかるようでは、上司失格といわざるを得ません。仮に上司本人は処分を免れたとしても、部下のほうは「この人は頼りにならない」と思い、二度と信用してくれなくなるでしょう。

部下の後ろ盾になるのも上司の仕事

マキャベリは『人間というものは、自分を守ってくれなかったり、誤りを正す力もないものに対して、忠誠であることはできない』と述べています。部下が上司に従うのは、自分を監督する者として上司がいざというときに責任をとってくれるからこそ、迷惑をかけないためにも頑張ってくれるのです。

あれこれ指示を出すばかりで肝心なときに頼りにならない上司には、誰もついていこうとは思わないでしょう。上司が自分を守ってくれないのなら、部下も保身のために委縮せざるをえません。

部下が積極的に新しいことに挑戦できるのは、上司の後ろ盾があってこそですし、部下の資質を伸ばすのも上司の仕事です。人材育成という意味でも、上司の責任は重いのです。

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