変わらない大切なもの

人はインセンティブに反応する

褒美はやる気を引き出すための手段

働く理由は人によってさまざまですが、ほぼ誰にでも共通する理由といえば、労働の対価としてお金が得られるからでしょう。会社などから支払われるお金は、相手の労働に対して支払われるものですから、支払われる額が相手の労働に対する評価ともいえます。

よって、待遇に納得できる人は会社に残りますが、不満がある人は「正当に評価してくれない」と思って、会社を去ってしまうのです。とはいえ、働く側も常に持てる力のすべてを使って働いているのかというと、そうでもありません。

フルに能力を出すのは何か緊急の自体が生じたときくらいで、普段は7割から8割くらいの力しか出していないという人が多いでしょう。常にフル活動をしていたのでは、余裕がなくて緊急事態に対処できないこともありますから、余力を残すことも必要です。

ですが、雇用側としては普段からできるだけ力を発揮してもらいたいというのが本音でしょう。これは経営者だけでなく、現場のリーダーでも同じです。そこで必要になるのが、関係者のやる気を引き出す手段です。

人を動かす手段としてわかりやすいのは、何か褒美を出すことです。手っ取り早いのは、頑張った人にボーナスを出すことですが、そう毎回出すわけにもいきません。そこで、褒美の出し方にも工夫が必要になります。

会社でよく使われる手段としては、食事会や飲み会などが定番です。「仕事は大変だったけどねぎらってもらえる」と思えれば、みなもやる気が湧いてきます。

上層部から社費を出してもらうのもいいですが、たまには自腹で害ってあげたりすれば、あなたに対する部下からの評価も高まるでしょう。自身が経営者で外部の人に褒美を出す場合なら、感謝状などを贈るのもひとつの手段です。

褒美は功績に見合っていなければ逆効果

人に報酬を与える際の注意として、マキャベリは『栄誉を与える方法はあらゆる市民に開かれているべきであり、それに値する人々が名誉と感じて満足するような、適切な報酬が用意されていなければばらない』と述べています。

これは、『功績を立てた相手の働きを正当に評価しなさい』ということです。褒美を出す相手の功績が誰から見ても大きく、本人にも自負がある場合、褒美もそれなりのものが必要です。

ここで褒美をケチってしまうと、「この程度の評価なのか」と相手は不満に思いますし、周囲も「あれだけ頑張ってそれだけなのか」と思って、以後は頑張ってくれなくなるでしょう。

ボーナスはこういった場合にこそ出すべきで、本人も満足してくれますし、周囲の人たちも「次は俺が」と、やる気を出してくれるのです。

ただし、相手が普段の待遇に不満な場合、その人にとって褒美は普段の不足分でしかありません。褒美でプラスの効果を引き出すには、普段から相手の働きを正当に評価できていることが大前提なのです。

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