変わらない大切なもの

力がなければ約束は守られない

約束を破られるのは優先順位が低いから

出かける約束をしたのに、当日になって急にキャンセルしてくる。そんな人が、あなたの周りにもいませんか。約束を守らない理由は人それぞれですが、共通しているのは、その相手に『あなたとの約束よりも優先すべきことがある』ということでしょう。

マキャベリの言葉にも『権力者の間で信義が守られるのは、力によってのみである』というものがあります。人は誰しも物事に優先順位をつけて、重要な件を優先して行動するものです。たとえば、家族や友人と出かける予定があったとします。

しかし、重要な取引先が急な用件でその日を打ち合わせに指定してきたとしたら、ほとんどの人は仕事を優先するのではないでしょうか。また、人は自分より強い相手には媚びへつらい、弱い相手には大きな態度に出るものです。

交わした約束を何度も破られてしまうようであれば、あなたが相手に「侮られている」という可能性も考えなければなりません。これは個人に限ったことではなく、会社同士の約束でも同じです。

あなたが仕事上で交わした約束であっても、相手にとってより重要な取引相手がその日を指定してくれば、あなたに連絡があって予定の調整をすることになるでしょう。「約束したからには守るのが当然」というのは立派な心がけですが、ビジネスの場では力関係がものをいうことも多いのです。

とくに相手から仕事を受けている立場の場合、当初の約束を守らせようと抗議し過ぎれば、相手にとってあなたやあなたの会社がよほど重要でもない限り、縁を切られてしまうかもしれません。

そもそも相手にとってあなたが重要ならば、よほどのことがない限りあなたとの約束を優先してくれるはずと考えることもできます。そこで「侮られるくらいなら縁を切る」というのも、ひとつの選択ではあります。

しかし、「こちらをなめているのか!」と一時の感情で決断を下してしまうと、判断を誤って大切なビジネスパートナーを失う可能性もでてきます。相手にも、やむにやまれぬ事情があるという場合がありますから、普段からの関係性を考えつつ、柔軟に対処するのが賢明です。

約束は守られないことも想定する

約束は双方の合意で成り立つものですが、約束を交わした同士が強者と弱者であった場合、弱者が約束を破れば苛烈な報復がある可能性があります。一方で強者が約束を破っても弱者は何もできません。

マキャベリが生きていた当時、外交の場は現代のビジネスの場よりもシビアでした。大国の都合で、小国との約束が破られることも多々あったのです。現代では、あまりに約束を守らないと信用にかかわるので、そうそう約束が守られないことはないと思います。

しかし、より優位な立場にいる相手と約束を交わす場合は、約束が守られなかった場合の対策を考えておくとよいでしょう。その対策が役に立たないに越したことはありません。何か約束をするたびにそんなことを考えるのは、面倒だと感じる方もいると思いますが、いざとなって慌てるよりはましでしょう。

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